| 2020/03/17 | 卒業する6年生との最後の授業 | | by:校長 |
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さて、6年生の皆さん。今日は、校長先生と最後の授業をしましょう。
本当は一時間、山本先生、谷下先生、富田先生にお願いして、やりたかった授業です。
卒業式の心構えについてです。
みなさんのお一人お一人に、卒業証書をお渡しします。卒業証書には、「小学校の課程を修了したことを証する」と書かれています。その卒業証書を、式の中で、お父さん、お母さんが、手にすると聞いています。
お父さん、お母さんは、卒業証書を受け取り、みなさんの6年間を、幸せな気持ちで振り返ると思います。
牧之原小学校に入学した時、大きなランドセルを背負って、登校していく後ろ姿を不安になりながら見つめていたこと。
かけ算九九ができるようになって、得意げに九九を暗唱したこと。
かけっこで、一等賞になれなくても、ゴールするまで歯を食いしばって一生懸命走る姿に感動したこと。
授業参観で、張り切って手をあげて、発表した後こっちを向いてにっこりした時、誇らしく思ったこと。
熱を出して心配したこと。テストでいい点が取れた時のこと、テストで悪い点数をとって、机の中に隠しているのを見つけた時のこと。成長したなぁと思った日のこと。がっかりしたこと。抱きしめたくなるほど、愛おしいと思ったこと。
お父さんやお母さんは、みなさんの卒業証書を手にしながら、6年間の歩みを懐かしく振り返ります。そして、みなさんが立派に卒業していくことが、うれしくてしかたないはずです。
ですが、こんな気持ちもあるんです。さみしい。校長先生も、同じ親だから分かるんです。未来に向かって新しい扉を開こうと、たくましい一歩を踏み出そうとしているみなさんの成長はうれしいのですが、自分の手から離れていくことも感じていて、何となく寂しいと感じるはずです。
そんな気持ちになっている、お父さん・お母さんに、卒業式では、ありがとうを伝えるべきです。照れくさいかもしれないけど、「ここまで育ててくれてありがとう。幸せをありがとう。」そんな気持ちをしっかり伝えてから、卒業してみたらどうですか。中には、ずいぶん、心配をかけてしまった人もいるでしょう。そんな人ほど、ありがとうの声は大きく、そして深く。そんな言葉がしっかり言える人間になれたことが、お父さん・お母さんにとっての幸せになるはずです。
お父さん、お母さんに、ありがとうを伝えて、お父さん、お母さんを幸せな気持ちであふれさせること、それこそが、卒業式で大事なことだと思うのです。