自分たちで解決
今、クラスの中で何かあったとき、子どもたちはどうしていると思いますか。もう、自分たちで何とか解決できるようになったんですよ。わたしが入らなくても自分たちでなんとかしようと考えるようになったんです。「すごい子どもたちだなぁ。」って思います。「成長したんだなぁ。」って思います。
長なわの練習で、うまくいかないことがあったようですが、女の子たちは、そのままにしないで、「先生、時間をください。」「先生、今話し合った方がいいと思うんです。」「先生、いつ話し合うか・・・、今でしょ。」みたいな感じで、児童会室にこもってしまいました。どんな話し合いになっているのか、気が気ではなかったのですが、女子の「わたしたちに任せて。」の言葉を信じて男子のみんなと教室で「青春」について語り合いながら待ちました。3時間目から始まって、女子は4時間目になっても帰ってきませんでした。4時間目が終わって、給食の時間になっても、帰ってきませんでした。仕方がないので、男子のみんなが親切に、女子の給食をすべて準備してあげました。届けもしました。女子は給食もそのまま児童会室で、丸くなって食べて、食べながら語ったようです。
すごく長い時間語り合って、女子がようやく戻ってきました。何ということでしょう。1人1人の晴れ晴れとした表情。重たい荷物をまた一つ、肩から降ろした感じ。こぶとりじいさんのこぶが、ぽろっと取れたような感じ。のどに引っかかっていた鯛の骨が、ようやく取れたって感じ。とにかくみんなすっきりした顔で、「先生お騒がせしましたー。」ですって。あまりの明るさに、仰天してしまいました。
先生の力を借りることなく、仲間の力で解決していくことができるのが、あるべき中学生の姿だとずっと思っているんです。小学校は、そうなるための準備の段階。そうなるために、「お友達と仲良くしましょうね。」と、低学年から指導をして、「友だちの気持ちを考えた行動をとりましょうね。」と中学年で教え、高学年で、仲間と心を一つにできた体験をたくさんするんです。この子たちも、いろいろありましたが、しっかりと心を成長させ、仲間と共に歩む力を手にできたんですね。
なんとなく、小学校教師の役割は終わってしまったような、そんな気持ちになるような子どもたちの姿でした。今はもう、わたしの力なんて、必要ないぞって、もどってきた子どもたちの顔はそんな感じでした。いいことです。そろそろわたしからも、卒業ですね。
卒業文集も始まりました。今週は、金曜日に、クラブ活動の卒業アルバム写真撮影があります。卒業の歌「ふるさと」も、朝の時間に歌っています。同時に、子どもたちの心も、自立し、卒業に向かっているんだなぁって事を感じました。喜び90パーセント、そして、寂しさ10パーセントって感じ。わたしも、大好きなこの子たちから、卒業する準備を始めないといけないなぁって思っています。