「早くお風呂に入りなさい。」
「早く本読みしちゃいなさい。」
「食べた後はお茶碗を片付けなさい。」
「早く寝なさい。」
「ゲームはやめなさい。」
「テレビは消しなさい。」
「片付けしなさい。」
ふうっ・・・・。
しなさい、しなさい、しなさい、しなさい・・・・・。
だめだとは思っていても、家に帰って我が子に投げかける言葉は「しなさい。」ばっかり。
しなさいは、自分が教師として使わないようになろうと思っている言葉なのに・・・。
「ノートを開きなさい。」
「丁寧に書きなさい。」
「姿勢を良くしなさい。」
「無駄話をやめなさい。」
「黒板を見なさい。」
しなさいばかりを使っていることを、自分のクラスだった子から指摘されたことがあります。
それは、1年間が終わる学習発表会の時です。
登場したのは、クラスの人気者、ひょうきんなA君です。
「ものまねしまーーーす。」
とA君が始めたのが、わたしのものまね。
「いえーーーーぃ。」
とみんなが盛り上がりました。わたしも、どんなものまねしてくれるのかなぁ。」ってわくわく。
ところが、A君のものまねの台詞はなさいばっかり。
「ノートを開きなさい。」
「丁寧に書きなさい。」
「姿勢を良くしなさい。」
「無駄話をやめなさい。」
「黒板を見なさい。」
その言葉がわたしに似ているということは、周りの子の反応で分かりました。
「にてるにてるーーーっ。」
いつの間に、なさいばかりを使う先生になってしまったのか・・・。
顔は笑っていましたが、心は反省でいっぱいでした。
しなさいは、だれでも言える言葉です。それを言わなくてもそのことを子どもたちが自然にできるようにする指導ができる人、それが先生です。
しなさいは、先生だったらあまり使わない方がいいと思います。
子どもたちは、家でけっこうしなさいを言われています。
学校でもしなさいを言われ続けていれば、どうなっちゃうんだろう・・・。
しなさいといわれたから仕方なくやる。
それでいいのでしょうか。
しなさいのものまねから20年くらいたったでしょうか。
20年たった自分は、しなさいを極力言わない先生になれているでしょうか。
しなさいを極力言わない、親になっているでしょうか。
親としては、まだまだ修行中かな。