2012/10/26 | まどかさんのありがとう |  | by:牧之原小教務 |
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「人生を輝かしく生きている人は、ありがとうといっぱい言ってきた人である。」こんな言葉を本で読んだことがあります。「ありがとう。」と素直に言える人は、幸運に恵まれ、人に恵まれる、そんなことも書かれていました。その通りなんだろうなぁと思います。
中学生のソフトボールの試合を見る機会がありました。試合中に、ファールボールが周りに転がってしまうことがあります。そのボールを取りにいくのは、選手になれない補欠の子どもたちです。かけ足で取りに行き、取ってきたボールを審判に渡します。その時に、審判に向かって「ありがとうございます。」と言いながら渡しているチームがありました。
普通は、ボールを取りに行ってくれたのだから、審判の方から「ありがとう。」と言われてもいいくらいなのに。
そのチームの子どもたちは、その後だれがボールをひろいに行っても、審判に渡す時には必ず「ありがとうございます。」と言っていました。
それだけではありません。上級生が下級生に向かって自然な感じで「ありがとう」を言っていたし、監督をしている先生だって、子どもに「ありがとう」を何度も言っていました。みんながありがとうを大事にしているチームで、見ていてとてもさわやか。そのさわやかさは、周りで試合を観戦している人たちにも伝わり、なんとなくみんながそのチームの応援をしてしまうんです。残念ながら負けてしまいますが、グラウンドには、「ありがとう。」のさわやかさに惜しみない拍手が響きました。
お店で買いものをして、店員さんが丁寧に袋に入れていたら、「遅い。」と文句を言う人もいます。「丁寧にやってくれてありがとう。」と感謝の言葉を口にする人もいます。どちらの人と友達になりたいかを考えたら、当然「ありがとう。」と言ってくれる人です。文句ばかり言っている人とは友達になりたくありません。ありがとうは、実に不思議な言葉で、ありがとうをたくさん言っている人には、自然と人が集まってくるのです。
子どもたちに「好きな言葉はなんですか。」と質問して、圧倒的に支持されるのが、「ありがとう。」です。
2年生の教室で、あるプリントを分けていたときのことです。一番前に座っている子にプリントを渡し、後ろに回してもらうのですが、すてきな「ありがとう。」を聞きました。中田まどかさんです。
まどかさんは、一番前に座っています。ですから、わたしは、普通にプリントを渡したんです。するとまどかさんは「ありがとう。」と言ってプリントをもらいました。また違う日、同じようにプリントを分けると、「ありがとう。」必ず「ありがとう。」と言ってくれます。そうなると、まどかさんにプリントを渡すのが、楽しみにも思えてきます。
たった5文字の言葉を大切にするだけで、目の前を気持ちよくできるんです。まどかさんのように、わたしも「ありがとう。」をいろんなところで使っていきたいと思いました。
また、牧小で、「ありがとう。」の声がたくさん聞こえてくるようにしたいです。