数年前まで、家に帰れば、我が家の子どもたちもアンパンマンに夢中でした。アンパンマンを食い入るように見ていました。そんな子どもたちと一緒によくアンパンマンを見ていました。時々目がウルウルしてしまうようなお話もあるんですよ。忘れられないお話が、大井川のミュージコで観たアンパンマンの映画。「どーりーちゃん」というわがままな女の子が出てくるお話。不覚にも、映画館で大泣きてしてしまったくらいです。その後、そのDVDまで買って、先生の好きな映画コレクションに今でも入っています。
アンパンマンというアニメがあることはずっと前から知っていましたが、子どもができるまではまったく興味がありませんでした。子どもができて、菊川の本屋さんで、何気なく手に取った絵本がアンパンマン。わたしが偶然手にした絵本の中のアンパンマンは、おなかがすいて泣いているかばお君を助けていました。自分の頭をちぎって、かばお君に渡していました。ちぎった頭からは、中のあんこが見えていました。そんなアンパンマンの姿から、アンパンマンからのメッセージを感じていました。「人を助けるためには、時には自分の身をけずらないといけないんだよ。」ってこと。
わたしが、廊下で掲示をしていると、その姿を見て、駆けつけてくれるアンパンマンがいるんです。一枚の絵を張り終えると、床にある次の一枚を拾い上げるアンパンマン。ちょっとしたことですが、とても助かりました。休み時間でしたし、本当は、遊びたかったと思います。友だちとわいわい楽しいことをしたかったんだと思います。でも、掲示をしているわたしを助けるために、楽しい自分の時間をけずってくれました。
わたしが両手にたくさん荷物を持っていると、「先生、その荷物、持ちましょうか。」と言ってくれる子もいます。その子は、ちょうどみんなとサッカーをするために、靴箱に向かっている子でした。でもわたしの姿を見て、荷物を持って、一度教室に戻ってくれたんです。本当はみんなと早くサッカーで遊びたかったでしょうが、わたしのために楽しい時間を削ってくれました。アンパンマンの心をもった、正義の味方です。
アンパンマンの歌には、こんな歌詞があります。
「何のために生まれて、何をして生きるのか。 答えられないなんて、そんなのは嫌だ。」
みなさんは、答えられますか。そういうわたしは、答えられるんでしょうか。その答えはいろいろあると思いますが、その答えの一つは「人のために何かできる」ということかな。すごいことはできなくても、すごい我慢もしなくていいけど、人のためにちょっとしたことができる人になりたいものです。