にょろひげ先生が、クラス全員に、小さな紙を分けました。その紙に、学級委員は足長君かとっくんかを書いていきます。書き終わった人から、前にある投票箱に入れていきます。とっくんは、足長君の名前を書いて投票箱に入れました。
開票の時間です。黒板に、足長君ととっくんの名前をチョークで書いたのはダンプさんです。開票のお手伝いもダンプさんがやっていきます。投票箱をひっくり返し、出てきた白い紙を一枚ずつ取り上げ、そこに書いてある名前をダンプさんが読んでいきます。
「足長君に一票。」
まずは足長君の名前が呼ばれました。当然です。おそらく、クラスみんなが、足長君の名前を書いています。クラスのみんなが、「わーっ。」と大喜びして、拍手します。その拍手に、足長君が両手を広げてこたえます。
「足長君に一票。」「足長君に一票。」
出てくるのはすべて足長君です。どの紙も、全部足長君です。
「足長君に一票。足長君に一票。足長君に一票。足長君に一票。・・・。」
足長君は自分の名前ばかりが呼ばれることが気持ちいいのでしょう。椅子にふんぞりかえって、鼻歌を歌っていました。
「足長君に一票。足長君に一票。足長君に一票。足長君に一票。・・・。」
読み上げていくダンプさんの声は、どんどん大きくなっていきます。周りの友達は、さすがにここまで足長君ばかりになると、ちょっとぐらいはとっくんのことがかわいそうに思えてきたのでしょう。「足長君に一票。」というダンプさんの声に、何も反応しなくなり、教室は静まりかえっていました。途中、一票だけとっくんに票が入りましたが、後はすべて足長君。黒板に書いてある足長君の名前の上に、ダンプさんは赤いチョークで「学級委員」という字を書きました。
足長君が、みんなの前に立ち、演説を始めました。
「このクラスの学級委員になりました。足長です。ぼくがこのクラスの学級委員になったからには、もう安心してください。地球の平和は、ぼくが守ります。」
わけのわからない演説でしたが拍手喝采。
地獄のような選挙が終わり、もうダンプさんのいじめも終わりだろうとほっとしました。しかし、その後すぐに、ダンプさんがわたしの所に来ました。
「とっくん、ちょっときな。」
ダンプさんに引きずられながら、だけもいない音楽室へ。そして、そのだれもいない音楽室で、なんと、ダンプさんが・・・。 つづく 次回予告 ダンプさんの告白