2013/03/07 | お天道様は見ている | | by:牧之原小教務 |
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図工室に、マジックペンでいやな落書きがありました。誰が書いたのか分かりません。今牧小にいる子どもが書いたものなのか、卒業していった子どもたちが書いたものなのか分かりません。誰が書いたのか、追究しようとも思いません。ただただ残念です。誰も見ていないからついつい書いてしまったものでしょうが、だれもが嫌な気持ちになるような落書きを書いたことを、いつか反省してください。
小学校1年生の時、わたしは学校で、友達ののりを盗みました。担任の先生と、わたしがのりを盗んだ男の子に救われて、おおごとにはならなかったのですが、後悔はずっと残ります。「何であんなことしちゃったのかなぁ。」って。夜、担任の先生が家に来て、わたしにしてくれたのが、
「としのり、こっそり悪いことをして見つからないと思ったらおおまちがい。お天道様は見ているんだよ。」
という言葉でした。
あの時の言葉、後悔の気持ち、お母さんの涙。苦い思い出ですが、わたしにとってはわすれてはならない大切な思い出です。もちろん、そのあと、他人のものをこっそりぬすむなんてこと、一度だってやりません。
その時の担任の先生とは、わたしが教師になった時に再会しました。なんと、わたしの指導教官になり、1年間お世話になりました。わたしは道徳の授業で、その時の話を子どもたちにしたことがあります。教室の後には、わたしを指導するその先生がいました。
わたしが話を始めると、途中でそのできごとを思い出したようで、「はっ。」とした顔をしたあと、「うんうん。」と頷いていました。
わたしは子どもたちに話し終えた後、「実はその先生が、今、後にいる原口先生なんだよ。」と言いました。子どもたちの視線が一斉に後にいくと、原口先生がこう言いました。
「こっそり悪いことしても必ず見ているお天道様は、どこにいるか知ってるか。みんなの心の中にいるんだよ。」
悪いことはできません。だって、心の中のお天道様が、見ているから。
落書きは、教頭先生が消してくださいましたよ。