坂田先生、都築先生と、授業について語ることがあります。熱心な2人と「どのように国語の授業を進めたらいいのか」を一緒に勉強しながらやってきましたが、2人の先生の熱心さに感心します。
わたしも先生になり立ての頃は、授業がうまくなりたい、いい学級をつくりたいと無我夢中で、先輩の先生方の授業を真似しました。しかし、どうしてもそのとおりにはなりません。やはり何年も積み重ね研究してきたことでできる、プロの技があるのだと20代前半に気づきました。プロの技を盗み、自分も先輩の先生のような授業をしたいと毎日思っていました。たくさんの教育書を読んで、勉強しました。それでも思うような授業はできず、うまくできないのはなぜかと悩みました。
30代になって、自分の持ち味が分かってきました。他の先生たちにはない、自分らしさ。そのらしさを大切にしながら授業をするようになりました。先輩の先生の足元にも及ばなくても、自分だからできることあると気づきました。その結果、財産もできました。
自分らしさをどう見つけていったかをふり返っても、答えははっきり分かりません。20代から30代に、数え切れない試行錯誤をして、身体の中からにじみ出てきたような気がしています。大量の土砂から金を取り出すような感じです。たとえわずかでも、輝く砂金が、ようやく見えた「自分らしさ」です。ようやく見つけた小さな砂金をさらに磨きをかけて、ようやく自分でも納得できるような授業ができるようになってきました。
自分の持ち味を十分生かせた授業ができたとき、うれしくなります。授業は本来、子どものためのもの。でも、他の先生ではなく、自分にしかできないもの、自分だからできることがきっとあるんだと思います。
12月13日は、授業参観です。「自分らしい授業」を探して、熱心に、熱く授業している若い先生方のクラスも、ちょっとのぞいてみてください。