33人のお子さんを保護者の皆様にお返しする日がきてしまいました。
4月に、みなさんのお子さんをお預かりした時「責任をもってがんばっていこう。」と決意した瞬間のことが、まだ最近のように感じられます。今年は一年がとても短く、あっという間に終わってしまいました。それは、それだけ、楽しかったということ。皆様のお子さんと一緒に生活したこの一年間は、本当に楽しかったです。毎日私もうきうきとして、学校に来ることがうれしくてたまらない、そんな幸せな毎日でした。
思い出は、ここに書ききれないくらいあります。それらはすべて、400枚の学級だより「しるし」の中にありますから、思い出は消えることなく、いつまでも残ります。保護者の皆様にもよくしていただいて、多くの御協力をいただきまして、思いっきり子どもたちに集中できました。ありがたかったです。最後の最後「お別れパーティー」をみんなでしましたが、様々なおかしをつくっていただいて、最後まで保護者の皆様の温かさに感激しました。こんなに楽しかった一年間を保護者の皆様からいただいて、感謝しています。ありがとうございました。
友達関係で悩み、苦労してしまった子がたくさんいるこの子たち。ある保護者の方からは、始まってすぐの時、「先生、頼みます。うちの子を助けてください。」とお話がありました。また、他の保護者の方から、「この子たちの人間関係が、ちょっと難しくなってきたから、先生なんとか修復してあげてください。」と言われました。そんな皆様の声を聞いて、この一年は保護者の皆様の願いを叶えようとがんばってきたつもりです。わたしだからできたことがあります。しかし、わたしではできないことも数多くありました。皆様のすべてのご期待に応えることができなかったことについてはお許しください。でも、わたしはわたしなりに、精一杯のことをしたつもりです。
皆さんのお子さんは、とってもいい子です。それは一年間の生活で、よく分かりました。優しくて、思いやりがあって、親切なお子さんです。人を大切にする気持ちがここまで豊かな子どもたちとは、なかなか出会うことはできません。わたしも皆さんのお子さんにずいぶん助けてもらいました。いたずらも一人前ですが、思いやりの気持ちは超一流。この子たちと生活することで、わたし自身、「人を大切にすること」を考えることができました。お子さんから学んだことも、たくさんあります。
これから中学生になります。今まで以上の難しさも出てきます。困ったことがありましたら、微力ですが、わたしにも声をかけてください。皆さんと一緒に、お子さんのことを考えたいと思います。お子さんが中学、高校、大人になっても、いつでもお声をかけてください。なにしろわたしはお子さんの生涯応援団長ですから、時には頼ってください。
別れにあたり、寂しさだけがつのります。悲しみがこみ上げてきます。力及ばなかったことを悔いております。その非力さをお許しください。その未熟さをお許しください。わたしはわたしなりに、精一杯やったのです。わたしの人生の一部をお子さんに全力をかけ刻んだつもりです。
明日、大切な、大切なお子さんを、確かに、お返しいたします。
一年間、ありがとうございました。6年間の子育て、お疲れ様でした。