| 2020/01/15 | 成人した若者の横顔を見ながら | | by:校長 |
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成人式、若者たちはきらっきらに輝いていました。大学や専門学校で学んでいるという若者。すでに、社会の中で働いている若者。近況報告の中では、「東京で起業したい。」「TBSのカメラマンに内定しました。」「将来的には牧之原で務めたい。」等々、いろんな夢を語っていました。
しかし、そんな若者たちを前にして、申し訳ないというか、複雑な気持ちにもなりました。それは、丁度、アメリカとイランの問題が大きくなっいる今だから。この先この若者たちが生きていく未来は決して明るいものではないなと・・・。
多くの若者たちが仕事がなくニートになっている問題。子供を育てにくいという不安。世界に蔓延する暴力。年金がもらえなくなる不安。気候変動による生物の喪失と地球温暖化。少子高齢化による生産力の低下。繰り返し繰り返し、これからの未来を暗くしていく話題ばかり。こんな世界にしてしまったのは、わたしたちで、目の前のこの若者たちはそのツケをはらっていくのだなぁと。society5.0だの、人工知能だの、世の中はどんどん便利になるというのに。楽しみだなんて思えてこないのは、先が見えないという恐怖みたいなものがいつも頭上をぐるぐるしているから。そんな時代を、この若者たちに残してしまったんだなと。
勝間田小で教えた子がい~らにいたので、「将来は何になるんだ。」と質問したら、その若者は、「何になればいいのか分からん。」と言いました。大学で化学を勉強しているという若者は、「今大学で勉強していることが意味あるのか不安になる。」と言ってました。将来の夢を堂々と語る子もいれば、それと同じくらいの割合で、将来の不安を口にしているのです。
4月からの新学習指導要領の前文では、これからめざす社会は、『持続可能な社会」だって書いてあります。でも、成人した若者の多くは、持続可能な社会が描けていないんです。
同じく、新学習指導要領の前文では、「持続可能な社会の創り手を育む」とあります。「担い手」ではなく「創り手」っていうところがポイントです。子供たちを「創造的」な人にしていかないと、社会は危ないってことです。
「覚えたことをただはき出すような教育をしてちゃだめなんだ。自分で考え自分で解決していける子供たちにしないといけないんだ。従順に、言われたことを真面目にこなすだけの人じゃだめだんだ。よしっ。」
と、成人した若者たちの横顔を見ながら、れからの牧小についての決意をしました。