二年ほど前、カールのチーズ味が西日本だけの販売になるというニュースは、わたしにとっては、大変ショッキングでした。だって、カールのチーズ味は、子どもの時からずっと変わらない、好きなお菓子ランキング１位だったからです。
　さらに今年、チーズあられの会社が廃業するというニュースもありました。チーズあられは、わたしにとって、長いこと好きなお菓子ランキング2位でした。
　カールがなくなると知った2年前、あわてて近くのスーパーにカールを買いに行きました。ＫＯマートのお菓子コーナーで、カールのチーズ味はいつもすみに追いやられています。売り場の一番いいところは、ポテトチップスとじゃがりこです。おそらく、カールのチーズ味を買うのは、自分ぐらいです。ＫＯマートのカールは、わたしのためだけにあるような感じです。そのカールが、一つもなくなっていました。ニュースを聞いて、いろんな人があわててカールを買ったに違いありません。ゆるせません。だったら、普段からみんながポテトチップスやじゃがりこばかりを食べないで、カールもたくさん食べてほしかったです。そうすれば、西日本のみで販売なんてことにはならなかったのに。
　カールは、わたしにとって、初恋の味です。初めて好きになった女の子の誕生日会にお呼ばれして、わたしは自分が大好きなカールをプレゼントしました。
　チーズあられは家族を思い出すお菓子です。わたしの母親が、好きなお菓子でした。わたしの妻が大好きなお菓子でもあります。
　そんな思い出がつまった、カールのチーズ味に続いて、チーズあられもなくなってしまいます。
　初恋のあの子は、西日本に引っ越してしまい、家族の思い出はもうすぐ消えようとしています。
　時代は変化していきます。
　これまで当たり前にあったものが、なくなり、新しいものが登場します。
　子供たちが将来、仕事をするとき、６割の職業が今は存在しない職業らしいです。
　そして、今ある職業も、たくさんなくなっていくということです。
　どんな未来になっていくのか、そしてその予測できない未来を子供たちはたくましく生きていけるのか。
　そんなことも、わたしたちは考えていかないといけませんよね。

　カールのチーズ味が西日本に行ってしまい、チーズあられは消えてしまい、わたしが好きなお菓子として唯一残ったのが源氏パイ。
　源氏パイよ、永遠に・・・。