2012/11/26 | 子どもは、親の姿をよく見ているんです |  | by:牧之原小教務 |
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息子がまだ小学1年生の時、こんなことがありました。
コンビニに息子と二人で入りました。「いらっしゃいませ、こんにちは。」と店員さんが声をかけてくれました。私はこれまで、コンビニの店員さんにあいさつを返したことがありません。ですからこの時も、店員さんに対して何も言わず中に入りました。すると息子は、「こんにちは。じゃがりこを買いに来ました。」と大きな声であいさつをしました。あまりにも大きな声で、コンビニの中にいたほぼすべてのお客さんの注目を浴びました。一瞬恥ずかしくなって、ついついこんなことを言ってしまったんです。「こらっ、静かに・・。」と。
息子はそんな私を責めてきました。「お店の人はあいさつしてるのに、お父さんはどうしてあいさつしないの。」としかられました。「ぼくの小学校は、あいさつ一流なんだよ。お父さんだって、いつもあいさつをされたらあいさつしなさいっていってるでしょ。」
コンビニの店員さんの「いらっしゃいませ、こんにちは。」に対して、あいさつを返す人がどれくらいいるでしょうか。このことを仲間に話したとき、「相手はそれが仕事なんだから。返さなくてもいいんじゃないの。」と意見されました。でも、私は息子が正しいと思います。
その日から、私もあいさつをするようにしました。そんなお父さんの姿を見て、息子によしよしとほめられたこともありました。
子どもは、親の姿をよく見ているんです。
浜松でイベントがあり、家族みんなで行った時のことです。浜松西インターを下りた瞬間から道は混んでいました。駐車場までたどり着くのも困難。ようやくついたと思ったら、そこからシャトルバスに乗ること10分でようやく会場にたどりつきます。家を出てから約2時間、ちょっとくたびれながらバスに乗りました。バスの中はもちろんぎゅうぎゅうです。私たち家族はなんとか座ることができました。やれやれと思いながら車窓をみんなでながめていましたが、車内をよく見ると、おばあさんが立っていることに気づきました。しばらく気づかなくて申し訳なかったと反省しながら席を譲りました。
会場に着いてから、当時5才だった娘が私に言いました。「どうして席をあげちゃったの。」ゲートをくぐる前にあのような時には席を譲るべきだと話しました。
帰りのバス、同じような状況になりました。私は同じように席を譲りました。すると、席は2席空きました。娘が一緒に立ち上がり、私の足にしがみついていました。5歳の娘が、初めて他人に席を譲ることができた瞬間でした。回りには他にお年寄りがいませんでしたから、せっかく譲った2席のうち1席は誰も座る人がいませんでしたが、娘はずっと私の足にしがみつきながら10分間車がゆれることに耐えて、駐車場まできました。
子どもは、親の姿をよく見ているんです。
保護者の方に、「どんな人になってほしいと思いますか」と質問すると、とても多いのは、「やさしい、思いやりのある人に」と答えが返ってくることが多いです。子どもを、思いやりのある人に育てたいのなら、親が、思いやりのある親にならないといけないのかもしれません。だって・・・。
子どもは、親の姿をよく見ているんです。
今、パソコンでこの記事を読んでいるあなた。ゆっくり後ろをふり返ってください。ほら、子どもがあなたを見ています。
子どもは、親の姿をよく見ているんです。