わたしは、運営委員の一人として、会場で4年生の子どもたちを迎えました。バスから降りてくる4年生の子どもたち。どの顔も「笑顔」でした。緊張よりも、歌うことが楽しみといった笑顔でした。私の姿を見つけると、手を振って、「せんせーーーい。」と、大きな声。元気いっぱいです。そして、会場内に入るときも、「がんばるよーー。」なんて言いながら、ハイタッチ。力強くホールに入っていきました。
まずすばらしかったのは、他の学校の演奏を聴く態度。牧小は一番前の席でしたが、演奏をしっかりきいて、曲の終わりには大きな拍手をして、すばらしい態度でした。
4番目が子どもたちの出番でした。
「かげおくりーって、知っていますかー。」
やさしい声がホールに響きました。会場は静まりかえります。指揮者の和男先生と、ピアノの唯先生と、子どもたちが、一つになっていました。体を揺らして歌うじゅんなさん。目をぱっちり開けて歌うそらさん。会場中のみんなが物語の世界に入っていきます。
みゆきさんの言葉、かえでさんの言葉、りょうこさんの言葉、ひろとさんの言葉、ゆうまさんの言葉。どの言葉も、気持ちがこもっていました。じーんときました。
「熱い風ー。炎の渦が、おいかけてくるー。」
力強い唯先生の演奏。そのピアノの音に負けない、子どもたちの歌声。しようさん、ゆうやさん、たいとくさんの顔つきが変わりました。しょうまさんの口がとても大きく開きました。迫力のある声に、ドキドキしてきました。
わたしは、「ちいちゃんのかげおくり」を合唱曲に選んだと初めて聞いたとき、びっくりしました。だって、戦争をテーマとした、悲しい物語の歌です。元気でパワフルな4年生の子どもたちのイメージと違う気がしたからです。でも、和男先生の強い気持ちも感じました。この歌を歌うことで、和男先生はこの子たちに新しい何かを身につけようとしているんだなぁと。指導してくださる田中才子先生の力強い後押しもあり、4年生はちいちゃんの物語に挑戦したのです。あの時の選択が間違いではなかったと思いました。和男先生がしたかったことはこれだったのかと。
会場中のみんなを感動させる歌声でした。泣いている人が、何人もいました。わたしのとなりの先生は、泣いていました。特に、最後の「おかあさーーーーん。」の時には、となりの先生我慢できなくなって、「ヒックヒック。」と声が出ていました。わたしもおもわず、泣いてしまいました。
終了後、実にたくさんの方から、「牧小はすばらしかった。」と、声をかけていただきました。
「このお話好きなのよ。だから、よけいに感動しちゃった。」
「一生懸命歌っている姿がとてもよかった。」
「気持ちがこもっている歌い方だったね。」
和男先生、唯先生、彩乃先生、本当にお疲れ様でした。
田中才子先生、感謝の気持ちでいっぱいです。
そして、子どもたち。
大きな感動をありがとう。君たちはすごい。