一年生の子が、校長室のドアをノックしました。
「校長先生、ひまですか。」
「ひまといえばひまです。どうしたんですか。」
「校長先生に、折り紙を教えてあげようと思って。」
「教えてくれるんですか。」
「いいよ。入っていい。」
「入ってもいいですが、今は給食の時間ではありませんか。」
「ちがうよ。みんな給食食べ終わって、本とかお絵かきとか、折り紙の時間。」
「本当ですか。田中先生は探していませんか。」
「探してないよ。折り紙やってていいって。」
「だったらどうぞ、お入りください。ちゃんと失礼しますって言ってから入ってね。」
「失礼します。」
このあとこの子は、廊下で上靴を丁寧に脱いで、入ってきました。
校長室前には、脱いだ上靴が、ちょこんとありました。
「校長室は上靴でいいんですよ。」
と教えてあげたら、「こんなきれいなじゅうたんの上をくつはいたままでいいの。」とかなり驚いていました。