この一年、感動の瞬間が、たびたびありました。
忘れられないのは、かの子さんの悔し涙かな。運動会で負けて、かの子さんは泣きじゃくっていましたね。あの涙は、かの子さんが本気だった証。もしもいいかげんな気持ちで団長をやってきたら、涙なんか出てこない。そんなかの子さんの姿に、感動していたのが、あげ羽さん。あげ羽さんも、応援団の1人として、団長を支え、全力でがんばってきました。全力だったから、かの子さんの姿に感動できたんだと思う。
感動は、本当にがんばった人だけに、神様がくれるものです。
長なわ大会に向かって、子どもたちは本当によくがんばってきたと思います。練習に真剣になれなかった時もあるし挫折してしまいそうな人もいました。練習をさぼったり、練習の中でトラブルがあったり。いろんなことがありました。
雄大さん、夢奈さん、あげ羽さんの3人が一番がんばったと思います。
雄大さんは、回し手。責任重大です。でも、早くから、自分がやると心に決めて、練習ではずっと「はいはいはいはいはいはい・・・。」と声を出し続け、奏斗さん、嵩史さんを片足で跳べるようにして、ふざけている男子がいたら、「しっかりやってやー。」と声をかけ、男子の練習を引っ張ってきました。雄大さんがいなかったら、男子はこんなに上手にはなりませんでした。ですか、雄大さんは、本番のこの日、熱でお休み。残念でならないです。一番がんばってくれた雄大さんには、新記録の達成なんて関係なく、いてほしかったです。本当にがんばった1人なので、感動を味わわせてあげたかったです。
夢奈さんは、加那美さんのためにがんばってきました。うまくなわに入るタイミングが取れない加那美さんの背中を押し続け、その手があったから加那美さんは上手になれました。「いいよいいよ。」「どんまーい。」「タイミングとってー。」と、声を出し続け、みんなを盛り上げたのも夢奈さんです。夢奈さんのおかげで女子は「失敗しても責める。」という雰囲気が生まれませんでした。
あげ羽さんは、みんなに注意をしなくてはならない「憎まれ役」を最後まで我慢してやってくれました。だめなところはだめって、親しい友だち同士ではなかなか言えなくなってしまいます。でも、みんなのために、直さなきゃいけないところはしっかり言ってくれて、そのおかげで、歩華さんや美佑さんは上手になれたんです。
大事なのは、今日までをどうすごしたか。そういう意味では、100点満点です。回し手が急にいなくなってしまっても、協力し合い、最後まで全力でがんばることができました。心を一つにして、がんばってきました。みんなは、よくやりました。新記録は達成できなくても、みんなでがんばれた思い出ができました。
でも、悔しい・・・。366回に届きませんでした。感動を手にすることはできませんでした。感動は、本当にがんばった人たちだけが神様からもらえるもの。ということは、わたしたちはやっぱり何かが足りなかったんだと思います。それが何かを、みんなと、卒業までに考えていきたいです。