結ぶということほどくということ
先生は子どもの頃、ボーイスカウトに入隊していました。嵩史さんや、春菜さんが今やっているものです。キャンプをしたり、手旗を覚えたり、募金活動をしたり。楽しかったですが、大変なこともありました。新年には真夜中に、30キロもの道のりを歩き続け、相良海岸をめざすという過酷な体験もありました。伊豆や浜松まで、自転車でサイクリングをしたこともありました。伊豆までサイクリングをした時なんか、おしりの皮がめくれて血だらけになり、パンツが脱げなくなってしまったなんてこともあります。生きた鶏を絞めて、カレーをつくったこともありました。命をいただいているということを学びましたが、鶏がかわいそうでかわいそうで。しばらく鶏肉を食べることができなくなりました。雪山に行ったり、ホームステイしたり、全国のスカウトと交流したりもしました。その中で、わたしが特に興味を持ったのが、ロープの結び方を勉強したことです。世の中には、実にいろんな結び方があるのです。知りませんでした。わたしは、けっこう手先が器用な方だったので、隊長が教えてくれる結び方を次々にマスターしていきました。周りのスカウトからは「ロープ名人」なんて呼ばれていたくらいです。その時に、隊長が、こんな話をしてくれました。
「ロープを結んだら、その結び目が美しくなければいけない。美しい結び目の時は、丈夫で勝手にほどけたりはしないんだ。さらに、結んだものは、いつかははどかなくてはいけない。美しい結び目の時は、ほどこうと思ったときにはすっと気持ちよくほどける。しかし、美しくないときは、こんがらがって、なかなかうまくほどくことはできないぞ。美しい結び目をつくろう。」
こんな感じのことです。
そて、どうしてその言葉を今頃になって思い出したのかというと、そろそろわたしたちも考えていかなくてはいけなくなったからです。
学級をつくるとは、先生はロープと同じだと思います。縁を結ぶという言い方があるように、みなさんと先生が出会って、6年1組という新しいクラスができました。「歴史をかえるクラスをつくろう」が合い言葉になり、ロープを結びました。ところが、その結び目は、まだまだ美しいとは言えず、勝手にほどけてしまうことがありました。歴史を変えるどころか、男女でもめたり、友だちをちょっとしたところで差別したり、友情ソーランの練習がうまくできずに、不細工な結び目は勝手にほどけてみんなの心がばらばらになったこともありました。でも、ほどけたらまた結び直し、またほどけても結び直し、何度も何度もみんなで結び直してきたんです。
結び直して何回目かの時、ようやく美しい結び目ができたんだと思います。先生はそれが、修学旅行だと思っています。
「いろんな人と、もっと仲良くなるために、すべての活動で、メンバーを変えていきたい。だから、だれと同じ班になってもいい。」
と、みなさんが言ってスタートしたあの修学旅行。あの時みんなで結んだ結び目が、とても美しかったんだと思います。あのあと、わたしたちのロープは勝手にほどけることもなく、今まできています。
11月に、ようやく美しく結べたのです。ですから、少少のことがあっても、子どもたちの心はほどけることなく、自分たちの力で解決できるのです。長なわの練習がうまくいかなかった時も、女の子たちは自分たちで解決できました。それが美しい結び目の証明です。
さて、ボーイスカウトの隊長は、こうも言ってました。
「結んだものは、いつかははどかなくてはいけない。美しい結び目の時は、ほどこうと思ったときにはすっと気持ちよくほどける。」
せかく美しく結べたこの結び目も、ほどかなくてはいけません。それは、もちろん、3月19日の卒業式です。これから、2ヶ月で、日数で言ったら約30日で、ほどくための心の準備をしていかなくてはいけません。仲間と別れ、先生と別れ、6年1組という学級がなくなる瞬間に、心の準備をしていきます。3月20日に学校に来ても、わたしたちの学級はなくなっているのですから。3月19日、わたしたちの美しい結び目がさらりとほどけるように、残りの30日、1日1日を大切にしていきましょう。
先生は、最後はさらりとお別れをしたいと思います。先生も、これから心の準備をしていきます。そのために、残り30日で、やり残しがないように、勉強のまとめをしっかりやります。みなさんに伝えなくてはならないことは、しっかりと伝えます。みんなとの時間を大切にしたいです。とは言え・・・、ほどくのは寂しいです。
先生は子供の頃、ボーイスカウトに入隊していました。嵩史さんや、春菜さんが今やっているものです。キャンプをしたり、手旗を覚えたり、募金活動をしたり。楽しかったですが、大変なこともありました。新年には真夜中に、30キロもの道のりを歩き続け、相良海岸をめざすという過酷な体験もありました。伊豆や浜松まで、自転車でサイクリングをしたこともありました。伊豆までサイクリングをした時なんか、おしりの皮がめくれて血だらけになり、パンツが脱げなくなってしまったなんてこともあります。生きた鶏を絞めて、カレーをつくったこともありました。命をいただいているということを学びましたが、鶏がかわいそうでかわいそうで。しばらく鶏肉を食べることができなくなりました。雪山に行ったり、ホームステイしたり、全国のスカウトと交流したりもしました。その中で、わたしが特に興味を持ったのが、ロープの結び方を勉強したことです。世の中には、実にいろんな結び方があるのです。知りませんでした。わたしは、けっこう手先が器用な方だったので、隊長が教えてくれる結び方を次々にマスターしていきました。周りのスカウトからは「ロープ名人」なんて呼ばれていたくらいです。その時に、隊長が、こんな話をしてくれました。
「ロープを結んだら、その結び目が美しくなければいけない。美しい結び目の時は、丈夫で勝手にほどけたりはしないんだ。さらに、結んだものは、いつかははどかなくてはいけない。美しい結び目の時は、ほどこうと思ったときにはすっと気持ちよくほどける。しかし、美しくないときは、こんがらがって、なかなかうまくほどくことはできないぞ。美しい結び目をつくろう。」
こんな感じのことです。
そて、どうしてその言葉を今頃になって思い出したのかというと、そろそろわたしたちも考えていかなくてはいけなくなったからです。
学級をつくるとは、先生はロープと同じだと思います。縁を結ぶという言い方があるように、みなさんと先生が出会って、6年1組という新しいクラスができました。「歴史をかえるクラスをつくろう」が合い言葉になり、ロープを結びました。ところが、その結び目は、まだまだ美しいとは言えず、勝手にほどけてしまうことがありました。歴史を変えるどころか、男女でもめたり、友だちをちょっとしたところで差別したり、友情ソーランの練習がうまくできずに、不細工な結び目は勝手にほどけてみんなの心がばらばらになったこともありました。でも、ほどけたらまた結び直し、またほどけても結び直し、何度も何度もみんなで結び直してきたんです。
結び直して何回目かの時、ようやく美しい結び目ができたんだと思います。先生はそれが、修学旅行だと思っています。
「いろんな人と、もっと仲良くなるために、すべての活動で、メンバーを変えていきたい。だから、だれと同じ班になってもいい。」
と、みなさんが言ってスタートしたあの修学旅行。あの時みんなで結んだ結び目が、とても美しかったんだと思います。あのあと、わたしたちのロープは勝手にほどけることもなく、今まできています。
11月に、ようやく美しく結べたのです。ですから、少少のことがあっても、子どもたちの心はほどけることなく、自分たちの力で解決できるのです。長なわの練習がうまくいかなかった時も、女の子たちは自分たちで解決できました。それが美しい結び目の証明です。
さて、ボーイスカウトの隊長は、こうも言ってました。
「結んだものは、いつかはほどかなくてはいけない。美しい結び目の時は、ほどこうと思ったときにはすっと気持ちよくほどける。」
せっかく美しく結べたこの結び目も、ほどかなくてはいけません。それは、もちろん、3月19日の卒業式です。これから、2か月で、日数で言ったら約30日で、ほどくための心の準備をしていかなくてはいけません。仲間と別れ、先生と別れ、6年1組という学級がなくなる瞬間に、心の準備をしていきます。3月20日に学校に来ても、わたしたちの学級はなくなっているのですから。3月19日、わたしたちの美しい結び目がさらりとほどけるように、残りの30日、1日1日を大切にしていきましょう。
先生は、最後はさらりとお別れをしたいと思います。先生も、これから心の準備をしていきます。そのために、残り30日で、やり残しがないように、勉強のまとめをしっかりやります。みなさんに伝えなくてはならないことは、しっかりと伝えます。みんなとの時間を大切にしたいです。とは言え・・・、ほどくのは寂しいです。