6年生を送る会で、6年生が喜んでもらえるようにと、これから1年生から5年生までのみんなで一生懸命準備・練習をしています。休み時間には、体育館やアーチを飾る花を作ったり、6年生に送る歌を練習したり、みんなが6年生のことを考えてくれます。特に、実行委員となる5年生のみんなは、かなり大変な思いをすることでしょう。放課後も下校ぎりぎりまで、体育館の飾り付けの準備をしたり、会の進行の練習をするようになるでしょう。「遊びたいなぁ。」という気持ちをおさえて、「6年生に喜んでもらいたいなぁ。」という気持ちでがんばってくれるでしょう。
先生方も、これから6年生のためにと、夕方遅くまで卒業に向けての準備をしてくれます。「6年生が喜んでくれる顔を見たいな。」どの先生も、そんな気持ちになってくれます。牧之原小学校を1年間、見事に引っ張ってくれた6年生に対して、それぐらいのことはみんなしたいと思っているんです。
6年生を送る会だけではありません。卒業式の準備もみんなの力を合わせて進めます。在校生も、先生方も、心に残る卒業式にしたいと、6年生のためにがんばるのです。4年生、5年生は卒業の歌を覚えます。4年生にとってはとても難しい歌です。でも、がんばってくれます。
酒井先生は、卒業式の全体を計画する係です。何時に何をする、どんなものが必要か、会場はどうするか、細かいところまで計画を立ててくれます。この計画を作成するために、何時間も時間を使います。学校だけではやりきれず、土曜日に学校に来てパソコンに向かったり、家に帰ってからもパソコンに向かったりすることもあるはずです。そこまでしないとやりきれません。
校長先生も、卒業式の中で、みんなの心に響く祝福の言葉を考えてくれます。校長室でパソコンに向かって、これから悩む顔が見られます。鈴木先生は、卒業会場をきれいな花でいっぱいにしてあげたいと、3年生のみんなといっしょに花を育て始めました。休みの日も水かけにきています。卒業式の会場をきれいにして、6年生を喜ばせてあげたいと思っているからです。卒業式の準備にまったく関わっていないという先生は一人もいません。これから全員がなにかしらの仕事を受け持ち、クラスのこと以外に6年生のためにがんばりす。きっと大忙しです。
卒業式の会場を作るのは、4年生、5年生です。君たちは何もしません。卒業式というのは、そのほとんどを、6年生以外の人たちで作るのです。それを忘れてはいけません。ありがたいことです。君たちの卒業のために、100人を軽く超えてしまうくらい多くの人たちが、協力してくれます。そのことを当たり前と思ってはいけません。
そして、だれよりも苦労するのは木下先生です。6年生の担任になると、卒業をさせるというのは大仕事です。6年生の担任をすると、どんな先生も1年間悩みます。うまくいかないことだらけです。でも、最後は、6年生のみんなにとって最高の思い出になるようにと、最後のひと踏ん張りです。
では、そんな人たちに対して、6年生ができることはなんだろう。君たちがしなくてはならないことは何だろう。たった一つです。準備はすべてしてもらっても、やっぱり主役は君たちです。卒業式の練習は、大変です。でも、「嫌だなぁ。」「めんどうだなぁ。」「歌うのは恥ずかしいなぁ。」と考えてはいけません。すべての力を出し切って、自分ができることは何かを考えて、心をこめて、仲間と協力して、感謝の気持ちをこめて、6年間の思い出をつめこんで、全身全霊で、6年生のすべてを表現して、それが君たちがやらなくてはいけないことです。「6年生のために。」というすべての人の思いにこたえられるような、3ヶ月にしてください。 教頭先生より