協力平が始まって、約10年。
協力平は、すっかり牧小の伝統となり、先輩から後輩へと受け継がれてきました。
この協力平を始めたのは、他でもない、校長先生です。当時の先生たちといろいろ話し合って、やる決心をしました。そのころのわたしたちは、子供たちをもっとたくましくしたいと思っていました。優しくて、素直な子供たち、でも、たくましさという点では、十分ではないように思えたからです。難しいと思えることにも、あきらめないで挑戦して、最後までやり遂げて、自分に自信を持って、そうなったら、きっとみんなたくましくなるはずだと。
翌年、とても少ない人数の学年が6年生でした。毎日のように原っこルームで練習しました。なかなか覚えられない子がいて、でも、その子もできるようになったときには、みんなで喜びました。少なくても魂のこもった協力平でした。
翌年、わたしは6年生の担任になり、わたしにとっては生涯忘れることのない1年を過ごしました。運動会のその日まで、練習でもめたり、やりたくないという子がいたり、本当に大変でした。でも、協力平の練習で、子供たちの心はだんだん一つになっていきました。いろんなことがあったけど、なかなか踊れない友達を支え、そして、自分の限界をつくらない、そんな気持ちでみんながんばりました。

踊りの直前、すでに子供たちの何人かは泣いていました。踊る前から、泣いていました。
それは、協力平に、思いがこもっていたからです。
協力平を踊ることで、わたしたちは本当の友達になるんだ。
そんな思いを持ち続けてきましたから、
だから、思いが体中からあふれていました。
「上手に踊りたいかどうかはどうでもよくて、みんなで精一杯やりたい。」
直前に、りんさんが言いました。
「わたしたちは、いろんなことがあったけど、この協力平で心が一つになったから、今日は最高の協力平にしたい。」
あげはさんが言いました。
「今日で、終わってしまうのは、なんとなくさみしい。」
かなと君が言いました。
わたしにとっては、この協力平が、最高の協力平です。永遠に忘れません。おそらく、この子たちも、覚えていてくれると思います。
さあ、今年の子供たち、どんな思いを持ち、協力平を踊るでしょう。
うまいかどうかなんて、関係ない。
心がこもっているかどうか。
残り一週間。
がんばれ、5年生、6年生。

運動会まで1週間。今日も、練習をがんばっていました。