| 2020/04/13 | 校長先生の初恋物語 第1話 | | by:校長 |
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自主学習に来ている子供たちの中に、「やることなくて、ひますぎるよー。」という子もいました。「読書でもしたら。」って言ったら、「もう、読む本もないー。」ですって。そうだよなぁ。読む本だって、なくなるよなぁ。ということで、今日から、子供たち、この物語を読みなさい。
「校長先生の初恋物語」
第1話 クラスがえの後に・・。
みなさんには、好きな人はいますか。校長先生は、小学5年生の時、とても好きな子がいました。よしこさん(仮名)です。本当に好きでした。そのよしこさんが好きだったころのお話です。すべて、ほぼ実話(本当のお話)です。
校長先生は、小学生の時は、とてもちっちゃくてかわいい男の子でした。背の順に並んだら、一番前。友達からは、「とっくん。」と呼ばれていました。
とっくんのいた小学校は、相良小学校です。全校児童は1000人を超える、マンモス小学校でした。
4月になりました。とっくんは5年生になりました。クラスがえがあり、とっくんは2組になりました。仲がよかった友達とは違うクラスになってしまい、新しいクラスの中に、親しく話せる子は一人もいません。みんなは楽しそうにわいわい騒いでいるのに、とっくんは教室のすみっこでさみしくひとりぼっちでした。「みんな、いいなぁ。楽しそうで。ぼくもみんなと仲良くなれるかなぁ。」と思ってました。
教室の中で、一番大きな声でしゃべっているのは、ダンプさんです。ダンプさんは、女の子ですが、ダンプカーのような大きな体をしていたので、みんなからダンプさんと呼ばれていました。見かけだけではなく、ダンプカーのように力持ちで、ダンプさんにけんかで勝てる人なんて見あたらず、特に男の子たちはみんな、ダンプさんをおそれていました。そのダンプさんが、教室でこんなことを言ってました。
「見てよ、このクラスの男の子。なよなよして弱虫ばっかりね。今年も男子をいじめちゃおう。」
とっくんは、おそろしくてふるえてしまいました。他の男の子もそれまで大さわぎしていたのに、ダンプさんのその一言でだまってしまいました。なかのいい友達もいない、おそろしいダンプさんと同じクラス、もう、最悪のスタートです。ダンプさんは、さらにこんなことを言いました。
「このクラスにも、ひでき(西城秀樹)みたいなかっこいい人がいたらいいのに。いないわねぇ。」
その時です。教室のドアが勢いよくあいて、一人の少年が登場しました。ダンプさんも、その男の子の登場に、目がハートマークになりました。やってきたのは、マンモス小学校のアイドル、足長君です。とにかくかっこよく、長い足。とっくんとは大違いです。足長君が長い足で教室の中に入ってくると、あっという間にファンの女の子達に囲まれていました。大変な人気者です。
一方、とっくんのところは、だれも来ません。いや、たった一人、さみしそうにしているとっくんのところに、来てくれる一人の女の子がいました。その女の子というのが・・・よしこさんなのか・・・。つづく
次回予告 愛の始まり