子供たちから、声を引きだそう
サザンオールスターズのコンサートに、東京ドームに行ってきました。久しぶりの新幹線。久しぶりの駅。久しぶりの電車。久しぶりの都会。久しぶりの喫茶店。(カフェ)いろんなものが久しぶりでしたが、なんとなく、都会の感じが変わったように思いました。どこに行っても、静かだと思いました。何が消えているか、それは会話です。人と人が話している声が、どこに行ってもあまり聞こえてこないと感じてしまいました。みんな、スマホ片手に黙って文字を打ち、映像を眺め、ゲームをして、隣に友だちがいても会話なし。駅では、電車が入ってきます。携帯を見ながらの乗車で肩と肩がぶつかる人もいます。でも、お互いに「すみません。」もなし。周囲の状況は目に入らず、みんな黙ったまま押し合います。お年寄りに席を譲る青年は、携帯に目を落としたまま黙って立ち上がり席を譲っていました。その青年に、お年寄りは「ありがとう。」を言いません。「そうか、今、世の中は、こうなっているんだ。会話がなくてもいいんだ。」そう思いました。
授業中に、トイレに行きたがる子がいます。「先生、トイレ。」と子どもたちは言います。こんな時、昭和なわたしは、「先生はトイレではありません。」と、ジョークで返します。こんなやりとりも、わたしは楽しいと思います。
音楽の時間に、実際こんなやりとりがありました。
「リコーダーはどうしたの。」「家。」「わすれちゃったの。」「・・・。(無言でうん。)」その子は、「家。」しか言いませんでした。
このような会話がいろんな場面で増えてきているなぁと感じます。こんな会話になりそうだったら、しっかりと答えさせたいと思います。先生だけじゃなくて、親だってそうだし、世の中の大人がみんなでやっていかなくちゃだめです。
ところが、今、世の中は「きも。」「うざ。」「ださ。」と言葉を短く短くして話すことが流行し、声で連絡よりも携帯で文字を打って連絡することを好んでいます。そんな大人の姿に、子供たちはますます言葉を発すことがなくなってしまうと、これは自分の考えですが・・・。
思いを表現するのが苦手な子が、全国的に増えているのなら、それを少しでも改善できる場はどこかって、やっぱり、時代遅れの学校だけなんです。
牧之原小は言葉を大事にしています。「最後の砦だぞ。」なんて思いながら、やってます。もっと言葉を大事にして、言葉の大切さや言葉の良さを子どもたちに教えていきたい。授業で対話を重視するのもそう。国語の授業で大きな声で音読するのもそう。休み時間に楽しい会話をするのもそう。学校で、子供たちの声がもっともっと聞こえてくるようにしたい。
子供たちから声を引きだそう。もっと子供たちの声を聞こう。
牧之原小の保護者の皆さんにも、協力をしていただきたいことです。
一緒にやりましょう。