| 2019/07/10 | いつか必ず泳げるようにする | | by:校長 |
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今日は、しまか先生の水泳指導に感激をしました。
1年生の最初は、水の中に顔を付けられない子も少なくありません。
顔をつけられる子供たちは、縄巻先生に見ていただいて、縄巻先生は小プールの奥側で、楽しそうにたくさんの子と水遊びをしていました。
しまか先生はというと、6人ぐらいの子供たちを小プールの手前で見ていました。「顔をつけるのが怖いんだな。」と、見ていてすぐに分かりました。その子たちが顔をつけられることをめざしてしまか先生は自分も水の中にもぐりながら、指導をしていました。
しまか先生は、ドクタースランプあられちゃんに見えました。大きなめがねをして、ある1人の子をだっこして、くるくる回転したり、楽しくなるような言葉かけをしたり、とにかく安心をさせようとしていました。硬い表情はちょっとほぐれて、そんな時に、時々ちょろりんと頭から水をそそいでいました。まるで、親子のようでした。「先生の背中に乗ってごらん。」と声をかけ、背中に乗せて、しまか先生がお馬さんのようになって。「今度はおなかに乗ってごらん。」と、おなかの上にのせて、また楽しそうにして。
わたしは、体育人ですから、30年間、様々な体育実践に挑戦し、また、いろんな学校で、様々な体育授業を見てきました。水泳指導も、ありとあらゆる方法を見てきました。でも、こんな水泳指導は初めて見ました。指導する先生と指導される子供という関係ではなくて、お母さんと子供になっての水泳指導です。
水泳指導のスタートは家庭のお風呂です。お父さんにだっこされて湯船につかり、安心して寝ちゃったりして、そんな経験も、水泳につながっています。お湯のかけっこしたり、水鉄砲で遊ぶのも。シャンプーハットで頭を洗って、それがとれて洗えるようになったことを喜ぶのも。湯船の中にもぐって、ぶくぶくするのも。おならの泡が下からぶくぶくあがってくるのを笑うのも。
しまか先生は、そんなお風呂でやるようなことをたくさんしていました。「この子をなんとか水嫌いにしたくない。」「この子をいつか、泳げるようにしてあげたい。」というしまか先生の情熱そのものです。
しまか先生の指導には、いつも驚きます。わたしの知らない指導が、山のようにあります。でも、そのいろんな指導の根本は常に同じ。「この子に力を付けてあげたい。」という、母親が持っているような、「目の前の子が愛おしい。」という心です。
今は顔も付けられないこの子たち。でも、未来が見えます。6年生になったときは、クロールも、平泳ぎもできています。
西武ライオンズに入団したばかりの松坂大輔が、イチローを三振させて、ヒーローインタビューで「今日で、自信が確信になりました。」と言いましたが、わたしも、今日、確信しました。自信が確信になりました。
「今は顔もつけられないこの子たちね、必ず泳げるようになる。」