小学校では、「シャーペン禁止」の校則が多いと思います。中学校では当たり前のシャーペンも、小学校時代は鉛筆という考えです。
「なんで禁止なの?」という問いに対して、まず筆頭に来るのは、小学校は正しい字を覚えるという学びをするということにあります。とめ・はね・はらいを覚えるためには、とめ・はね・はらいがはっきり書ける鉛筆が絶対必要です。書写の授業は絶対鉛筆なのはそれが理由です。書写の学習にシャーペンはあり得ません。
「だったら、書写の授業の鉛筆は絶対にして、それ以外は、シャーペンでノートを取ってもいいんじゃないの。」って考えます。
ある小学校では、6年生になってからのシャーペンを認めています。ある小学校では、地域学習や社会科見学の時に認めているとのことです。鉛筆はかさばるからとのことでした。ある小学校では、授業は鉛筆、それ以外はシャーペンもよいとしています。ある小学校は、シャーペンも良し。ただし、書写や国語の漢字学習の時は絶対に鉛筆としています。つまり、学校によって様々です。それらの決まり事はありながら、結構ルーズになっていている、そんな学校も多いです。
書写の専門家の先生からすると、小学校のうちはシャーペンではなく鉛筆を使わせたいということです。理由は、筆圧のことが一番でしたが、「小学校までに、指先の感覚を鍛える。」ということもすごく大事だとおっしゃっていました。指先の感覚は子供時代、特に小学生の時に十分鍛えておきたいとのことです。また、鉛筆は、どの方向に線を引くにも抵抗感がないのに対して、シャープペンシルは、斜め上にシュッと『はらう』ときに抵抗感やぶれがあるそうです。よって、とめ・はね・はらいを身につけるためには、絶対に鉛筆。さらに、書写の時間だけじゃなくて、すべての教科でいろんな字を書きながら徐々に感覚は身につくものなので、小学校の学習は鉛筆で行うのが最も適しているとのことです。なるほどと思いました。
いろんな方にご意見を聞いて、わたしなりの考えをお伝えします。わたしは、小学校では鉛筆が中心だと思います。一番の理由は、正しい字を覚えるためには、一番ふさわしい筆記用具だと思うからです。とめ・はめ・はらいを正しく覚える時期ですから、より適した筆記用具は鉛筆です。筆圧よりも、小学校での必要な学びとして、鉛筆を使用したいです。高学年になったらいいのではないかというご意見もあるかもしれませんが、高学年でも、正しい文字を覚えることは重要です。
実はこのこと、先生たちが来年度に向けて議論していることの1つです。たかがシャーペンですが、そのことについて真剣に議論している先生方の言葉を聞いていると、「子供にとって何が一番か。」を真剣に考えてくださっていて、あらためて牧小の先生方は、子供ファーストなんだなと感じます。