小学校の卒業式に、袴を着用する子供が、全国的に増えてきたというニュースをご覧になった方もあると思います。ネットの中でも、袴についての様々な考え方で溢れています。教育評論家の意見などもたくさんよせられています。
静岡県下の小学校も、徐々に袴を着用する子供が増えているということです。牧之原市も同じです。
袴の着用を禁止にしている学校も多くあります。
教育委員会からその地区全体の小学校に、袴はひかえてほしいという通知を出しているところがあります。
このように、小学校の卒業式で袴を着用することについては、いろんな意見が飛び交い、やや混乱してしまっている感じがします。
わたしたち小学校の教職員が、どんな気持ちで子供たちを卒業させたいと思っているのか。
6年間、保護者の皆様からお預かりした子供たちを、大切に大切に育てて、そして卒業式はその集大成です。
わたしたちが卒業式で気にしたいのは、子供たちがどんな態度で式に参加しているか。どんな顔つきで卒業証書を受け取るか。どんな「別れの言葉」を口にして、お世話になった人たちに、どのように感謝の気持ちを伝えられるようになっているか。わたしてたちは、子供たちの成長と、次のステージに向かう決意を見たいのです。また、子供たちも、自分たちの服装よりも、自分たちの思いに目を向けて卒業してほしい、それだけです。
どうしてここまで袴について話題になるかというと、袴を着用したことにより、卒業式の進行に影響が出てしまったという学校が、増えているからです。全国的に、このような事例がたくさんあること確かです。
・袴に慣れておらず、お腹の締め付けにより、式の途中で具合が悪くなる子がいる。
・袴に慣れておらず、壇上に上がる際の階段の上り下りで転倒してしまう子がいる。
・トイレの後の袴が乱れてしまう子、乱れを気にしてトイレを我慢して失敗してしまう子がいる。
・年々派手になり、競争化してきている華美な袴で卒業式の空気全体が落ち着かなくなってしまう。
また、それ以外にも、保護者や来賓の中には、「袴は小学校の卒業式の雰囲気にそぐわないのではないか。」「袴を着たくても着ることができない子だっている。」そのようなご意見も多数あるようです。
牧之原小学校は、禁止という考えは一切ありませんので、御家庭の判断にお任せします。ただ、慣れない袴を着用することにお子さんが不安があるようなら、保護者の方の思いはあったとしてもひかえてほしいと思っています。大切なことは、服装に意識を向けてしまうのではなく、卒業式に臨む気持ちや凜とした態度で「卒業式」を成功させることが一番大切だということです。